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2007年03月 アーカイブ

2007年03月08日

モス・バーガーにて

早い春の強い風に吹かれることをいいことに
空腹を原動力に、髪もとかさず外へ出る午後4時。

モス・バーガーの外に立てかけられたメニューを
強風の中、しゃがみこんで眺めているうちに
頭はまんまと天然エアリー・ヘア。

モス・チーズバーガーというのを食べ終わり、
メモ帳の隅にこそこそと駄文をしたためているうちに、
天気は気象庁の予報どおりに下り坂。
バラバラと雨が降り出し、厚かった曇り空がより一層
濃いグレーで覆われていく。
当たる天気予報もあるものなのかと感心することしきり。
メモ帳の駄文は何ひとつわたしの人生を予言しない。

平日の夕方をこんなふうに過ごす優越感は
夜の訪れと共に罪悪感にも似た色で染まっていく。

冷えたホット・ウーロン茶を飲み干しても
求める答えがマグカップの底にあるわけでもなく。
捨てきれない何かが心の中に、また染み付いて
行くのを、茶渋を眺めながら感じたり。

ひとり気ままに自由なはずなのに、気がつくといつも
何かを待っているような心もとなさは、今日も
どこかからやってきて、ウーロン茶がカップに作った
輪染みのように、わたしに染み付いていく。

ほんの少し いつもより風の強い
冬と春のはざ間の一日が
夕方と夜の一分が
わたしをこんなにも取り残された気分にするのは
何故だろう。

振り向けば他に客人もおらず
取り残されたのは気分じゃなくて事実だと知るのは
すぐ後のこと。

(山名美穂)

2007年03月19日

偏見の二択

アンナ・カレーニナの中巻を読み終わったと
思ったら下巻の終わりだった。

もう一冊続きがある前提で読んでいたので
なんだかちんぷんかんぷんで終わってしまった。

友人から「長い間わずらった持病が治るかもしれない」と
メールが来て、苦しくない自殺の方法でも見つけたかと思い、

「おいおい、携帯メールの遺書なんか要らないよ」

と真剣にうんざりしてみる。そうでなければ絶対に
新興宗教への誘いかどちらかだと決め付けていたら
どちらでもなかった。

前者については、読み終わったばかりのトルストイが
少なからず安直なわたしの頭にこびりついていたに違いない。

自殺以外の問題解決法はたいがい宗教だ。

ヨガと呼ばれる壮大なる宗教も
コーチングに基づく自己暗示という
マインド・コントロールもお試し済みですが、何か?

家に帰って本当にアンナ・カレーニナを3冊も読んだのか
確認したら、ちゃんと上・中・下巻揃っていた。
ついでになくなったと思っていたコーチングの本も
見つかった。

何の暗示だ、一体。

二者択一を迫られている気分の20代、
「若気の至り」で済まされるリミットは1年と2ヶ月。
妙齢オンナの雨の夜。

(山名美穂)