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偏見の二択

アンナ・カレーニナの中巻を読み終わったと
思ったら下巻の終わりだった。

もう一冊続きがある前提で読んでいたので
なんだかちんぷんかんぷんで終わってしまった。

友人から「長い間わずらった持病が治るかもしれない」と
メールが来て、苦しくない自殺の方法でも見つけたかと思い、

「おいおい、携帯メールの遺書なんか要らないよ」

と真剣にうんざりしてみる。そうでなければ絶対に
新興宗教への誘いかどちらかだと決め付けていたら
どちらでもなかった。

前者については、読み終わったばかりのトルストイが
少なからず安直なわたしの頭にこびりついていたに違いない。

自殺以外の問題解決法はたいがい宗教だ。

ヨガと呼ばれる壮大なる宗教も
コーチングに基づく自己暗示という
マインド・コントロールもお試し済みですが、何か?

家に帰って本当にアンナ・カレーニナを3冊も読んだのか
確認したら、ちゃんと上・中・下巻揃っていた。
ついでになくなったと思っていたコーチングの本も
見つかった。

何の暗示だ、一体。

二者択一を迫られている気分の20代、
「若気の至り」で済まされるリミットは1年と2ヶ月。
妙齢オンナの雨の夜。

(山名美穂)

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