heat up and chill out
ビクラム・ヨガ熱は、 この夏も続行するいきおい。いちいち自分がやっているヨガに「ビクラム」とつけるのは、他のヨガ(たとえばパワー・ヨガとか)をやったことがないからだ。多分ヨガっていろんな流派があるのだろうし。ひとつの流派をかじっただけでヨガ全体を語るのは、ちょっとね…。
というわけでビクラム・ヨガの話しなのだが、今回は26のポーズのひとつ、シャバ・アーサナについて。単に体が左右対称になるように横になるだけのポーズだけれど、このポーズが、実は一連のポーズのなかのコアを表していることに、ある時、気づいたのだ。
90分の流れのなかで、緊張を強いるアクロバティックなポーズのなかに、完全なリラックスを促すポーズとして、このシャバ・アーサナが絶妙なタイミングで繰り返される。
確かに、ホット環境(インドと同じ気候というのが基準らしい)でさまざまなポーズをきめた後でぺったりとヨガ・マットに体を横たえると、軽い脱水症状も手伝ってか、マットの中に身体が沈みこんでいくような感覚を覚える。そのトリップ感はアクロバティックなポーズの完成レベルが上がってくるにしたがって深く、深くなっていくようだ。そんな時に、ぐったりしながら、ふと「あー、こういうことなのか」と思う。
つまり私が思うに、ビクラム・ヨガの26のポーズの流れは、ひとつの原則を志向している。ひとことでいうとバランスってことなんだけど。
陰と陽、緊張と弛緩、heat up and chill out…それらの深さを均等に保たねばならないということ。ダイナミックにいくにしても、控えめにいくにしても、偏りはよろしくない。
例えば現実を考えてみても、オンタイムで激しくheat upしているは、それに見合うくらいのゴージャスな休息を入れないと焼ききれるだろうし、たいした行動もしてない人が、深すぎるchill out timeを取ると、それはそれでバランスを崩して、退廃的でダウナーな世界にイってしまう。
ビクラム・ヨガの場合は、最初はごく無理のない感じから始めるのだけれど、慣れてくるとインストラクターのアジテーションにつられて、自然にポーズとポーズの振り幅が大きくなっていく。
いちど波にのるとその振り幅と加速度はどんどんアップしていってしまうものらしく、毎日来ているフリークは、筋肉のつき方がもうインドの修行僧みたいになっている。「普通の主婦にその身体はいらないだろ」と突っ込みたくなるくらいに・・・。
「健康になりたいから」「痩せたいから」など、はじめた理由がどうであれ、別のステージにいってしまった人々の顔には、まるで恋のような狂信が宿っている。
たぶん秘密は、あのシャバ・アーサナの深さにあるのだろう。陰と陽、緊張と弛緩、heat up and chill out…スタジオに通いつめる人々は(私も含め)、その限界大振りの危うさの中で自己のバランスをコントロールするスリルに、はまっているのかもしれない。 (蜂)
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