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ジャムセッションとカットアップ

オン・ザ・コーナー(紙ジャケット仕様)

目覚めました。何に?そう、JAZZに。

僕自身のiPodのアーカイヴに今、急激に増殖しているのはマイルズ・デイヴィスを中心としたJAZZだったりします。面白い。彼の、すごく熱しやすく冷めやすい。と思わせるくらいの勢いで常に挑戦していく新しい音楽的スタイルが。そして、その音楽的要素が90年代以降のクラブミュージックに通じる要素までも併せ持つ部分も、とても面白い。

彼が登場した1940年代のシーンはチャーリー・パーカーを中心とした技術主義の、超即興主義の時代だったんだけど、マイルスはフレーズ主義であり、バンドアンサンブルを重視したサウンドを指向していて、とても時代の必然的な流れのなかにいた人、と言えるんだと思う。ビバッブという感情の濃縮の表現から、クールジャズという構造主義的な音のアプローチへの変革。というマイルスのイノヴェーションというのが始まるんだけど、それは彼の特質をすごく現しているんじゃないかな。

創造性の質というものは当然時代によって変わっていくもので、彼はまさしくその質の変遷に敏感だった。即興、技術という、超プレイヤ−志向から、より編集的、ポストプロダクション的なものを追求していったところがすごく現代的だったと思う。特に60年代以降の『イン・ア・サイレント・ウェイ』から顕著になる、プロデューサーのテオ・マセロによるジャムセッションを録音したテープをハサミでチョキチョキやる「カットアップ」の手法は、ものすごくJAZZから遠くて、限りなくテクノ的、ヒップホップ的な欲望だ。そういう、ジャムセッションとカットアップとのコンビネーションを経て出来上がったのが『ビッチェズ・ブリュウ』であり、『オン・ザ・コーナー』になる。ちなみに自分は『ゲット・アップ・ウィズ・イット』が今一番気に入っているかな。

それと彼の自叙伝も平行して読んでいて、これまた面白い。音楽的にはすごく斬新な革新主義者なんだけど、性格的・体質的にはすごく保守的で人間臭い。こういう部分が、彼のバンドをディレクションしていくうえでの必要な資質だったと言えるかもしれない、と感じた(小島)。

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