« ゴダールの神曲 | メイン | むしろ老人の愚行が聞きたい »

監督業ほど素敵な職業はない

イビチャ・オシムの真実
イビチャ・オシム率いるジェフ千葉がナビスコ杯を優勝した。このチームがこういった躍進をするなんて、誰が3年前思ったのだろうか?やはりこの監督は偉大すぎる。にしても監督業、特にサッカーにおける彼らのある一定レベルの人々というのは、本当に神と悪魔の顔を併せ持ったようなカリスマが多い。

例えば今のユベントスのカペッロ。イブラヒモビッチみたいな超ド田舎者かつ問題児を軽く手なずける手腕は、本当に凄いと思う。ただの戦術オタクでは監督は決して務まらない。カペッロ、リッピ、モウリーニョ、ベンゲル・・・特に選手としての華々しい実績はなくとも、現場において選手とやり合うことが出来るリーダーとしての能力に、図抜けている。彼らは当たり前だが決してフィールドには立たない。が、存在として絶大なる影響力をチームに与え続ける。決まって選手達が言う。「監督は絶対だ。僕らは彼に従うまでさ」。監督とは、一流の心理学者のことを指すのかもしれない。選手に与える、絶対的な安心感と、絶対的な恐怖感。その両者を同時に、絶妙なバランスをもってして、自在に使い分ける心理学的才能。そういうものを、彼らは持ち合わせている。

実際プレーをしない、デザインをしない、楽器をふかない、タイプしない、カメラをもたいない。それでも、非常に大きな影響力をもちえる存在。という、魔力というものについては、興味が湧く。実際にプレーしないからこそ持ちうるようなヴィジョン。もしかしたらフィールドにいたらわからないこと。といものを持ったとき、その人自身はどういう気持ちなんだろうか。絶頂と孤独とに絶えず揺れ動く、リア王みたいになるのだろうか。一つの猜疑心がチームを崩壊させる、なんてことはザラなんだろう。常にあらゆる方面からのプレッシャーに耐えないといけない。プレーヤー、経営者、観客、マスコミ、コーチ。みんな彼の味方だが、同時に、彼の敵でもある。恐怖にも近い、寝ても覚めても白昼夢みたいにまとわりつくストレス。オシム監督も言っていた。「3年も同じチームにいるというのは、少し長いかもしれない」。嗚呼、なんという職業!(小島)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.spor-e.com/mt/mt-tb.cgi/38

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)