小沢健二の『Ecology of Everyday Life、毎日の環境学』を聴く。これは今彼自身が書いている童話のサウンドトラックだ、という指摘があるみたいだ(僕は彼の童話作品は呼んだことがないのだけど)。でも僕にとってはあまりそういうことは関係なく、作品自体結構好印象を持てる。菊地成孔が前回の作品『Eclectic』が、小沢健二の、大人になりきれない陰鬱さが表出している作品、と評していたけど、今回の『毎日の環境学』は打って変わってとても伸びやかな魅力に溢れている。大人とか子供とか、そういう問題自体を乗り越えて、というか、子供でいいんだ、という開き直りがあるように思える(笑)。
だから童話というフォーマットというのは、彼にとって非常にストレートに馴染める表現分野であって、その童話作品のサウンドトラックというのならば、これまた彼なりの世界観が背伸びなしにそのまま表現できるという、そういう幸福な作品であると言えるんじゃないだろうか。だからこそ、今までの「背伸びした感」が好きだった小沢ファンにとっては物足りないのかもしれない。が、僕みたいな渋谷系の音楽には乗り遅れ、あまり彼に感情移入できなかった30代の男にとっては、どのように歳をとり、大人/子供、という問題に対峙していくのか、ということに対する良いお手本のような気がするのだ。たぶんしばらく僕はこの作品を聴き続けるだろう(小島)。

