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服と顔

お正月は友達カップルと、映画『プラダを着た悪魔』を鑑賞。東京者のお正月というのは結構地味で、閑散とした街で映画観るぐらいしか、やることない。だから私は何年か前から、元旦には東京者同士、初詣→映画と巡るのがお決まりのパターン。その時の映画はできるだけ、小難しいものは避けることにしている。それで、今年は『プラダを着た悪魔』だった。

自分のやりたいことは明確だけれど、他人の視線に鈍感な女の子(アン・ハサウェイ)が、ハイ・ブランドの服を身に纏うことによって、他者との関係性に目覚めていく。セックス・アンド・ザ・シティで一躍有名になったスタイリスト、パトリシア・フィールドのスタイリングが、ヒステリックに炸裂していて、ワンシーンごとに打ちあがる、色とりどりの花火を見ているみたい。それが『VOGUE』と思しき編集部の、刺激的な人間関係をくっきりと浮き上がらせていた。

そう、この映画は服が主役。だからこそファッションが象徴する編集部の人間関係に、対比される主人公の恋人が、やけにあっさりとしか描かれてなかったりするのだけれど・・・まあそれは、どうでもいいとして。

主人公を演じるアン・ハサウェイと鬼編集長に扮するメリル・ストリープ。どっちも劇的な変化を演出できる、稀な顔立ちだなあと思う。アン・ハサウェイは初めの中西部のスクールガール的な印象が、髪を黒く染めて前髪を作ることで、がらっとモードな顔に変わってしまうし、メリル・ストリープはぎゅーっと目じりが引っ張り上げられたONの顔と、スッピン&ガウンのOFFの顔の落差を、劇中でこれでもかと見せつけている。メイクや髪型で劇的に変化する顔、それは骨格やパーツのフレームに個性がある顔だ。だからこそ、前髪で目の形を強調したり、チークで骨格を際立たせたりすることによって、印象ががらりと変わる。

激しい服を着こなすには、それを受け止める個性の強い顔が必要なのだなあと思う。服と顔。その二つを揃えられたところで、この映画の目指すところの大部分は、達成されていたのかもしれない。

さて、のんびり映画鑑賞していた正月やすみも終わり、私は初売りバーゲンで新調した服を身に着けて、働きまくっている。正月明けから、なかなかシビアな仕事環境。人はプラダを着なくても、悪魔になれるもの、なのかな?(蜂谷)

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