森山大道さんの『ハワイ』をタカイシイギャラリーで見る。凄すぎる。最近の森山さんの作品はどちらかと言うとスタイリッシュでグラフィルカルなアプローチで撮られていたものが多かったと思うが、この『ハワイ』は違う。『ブエノスアイレス』を以前見たときとは全く異質のインパクトがある。
アルゼンチン・ブエノスアイレスにおける街や人々といった被写体と、森山大道との親和性は高かったのだと思う。が、ハワイとの親和性は全くと言っていいほどなく、逆に大きな反発となり、それが見事に作品に反映されている、としか思えない。何と言うか初期の『写真をさようなら』の方向にあるような、オブセッションや嫌悪感や憤りや何やらがざらついた粒子の中に凝縮されている。とにかく殺気が素晴らしい。一つ一つの素粒子の中に殺気が存在する。
椰子の木陰が不穏に伸び、それが海を覆ってしまうショット。どこに通じるのかさっぱりわからない、ひょっとしたらもはや戻ってくることが出来ないんじゃないかと思わせるようなハイウェイ。ほとんどどす黒い闇と化する海面で、かろうじてその存在感を訴えるさざ波。ハワイという楽園がどんどん黒く塗りつぶされ、死の世界と化していく(小島)。

